精力剤によく含まれている成分「シトルリン」
精力剤の内容成分を見るとよくシトルリンという成分を見かける。このシトルリンはアミノ酸の一種で、人間の身体には有効な成分。中でも男にとってうれしい効果を発揮してくれる成分だ。だからこそ、色々な精力剤に使われている成分なのだ。
シトルリンはスカイに含まれている成分で、シトルリンが発見されたのもスイカの栄養成分を研究していたからと言われている。そんな身近な存在の野菜から、男の精力に役立つ成分が発見されるのだからびっくりだな。
しかも、スイカって・・・
ほとんど水分のイメージがあるが、野菜でも栄養成分を研究してみないとわからないものだな~っとこのことを知った時に思った。
メタボや動脈硬化などといった生活習慣病は男にとって定番だが、シトルリンの効果はそれら生活習慣病にも適していると言われている。精力だけでなく幅広い健康に使われている。
かなり多くの効果が期待されているシトルリンなだけに、色々な健康系のサプリで使われているのをよくみかける。もはや精力剤だけでなく、色々なサプリでも含まれているアミノ酸ということだ!
最近じゃ、シトルリンをスーパーアミノ酸と言うらしいが、シトルリンの効果や働きを知れば知るほど、その名にふさわしいような気もしてくる。男にとってシトルリンはかなり役立つ成分だ!
この夏は気を使ってスイカを食べてみてほしい!
シトルリンの役割
シトルリンは体内に取り込まれると、アルギニンという栄養を生成させる。このアルギニンというのが、精力の増強や勃起力の向上に役立っている。シトルリンが体内でアルギニンに変化すると血液が膨張して、血流が良くなる。
血流がよくなると勃起にとってはプラスに働く。そして、血流が常に改善された状態になると、勃起も高まるっていうのがシトルリンの精力効果の仕組みだ。男の老化現象として血流問題はかなり大きい!
シトルリンが血流改善に効果的だと言われるのは、体内に取り込まれた際に発生させるNO(一酸化窒素)における効果が大きい。むしろ、NOなしにはシトルリンの効果は語れないと断言してもいいだろう。
ということで、シトルリンを知るためにまず、NOがどれほど人体に影響を与えており、どれほど男の勃起や健康を支えているのかを紹介していこう。
シトルリンがNOを排出させる
シトルリンは体内に取り込まれるとアルギニンという物質に変換され、吸収されるようになるアミノ酸だ。
アミノ酸がいくつも連結することでタンパク質が形成されている。
そんなシトルリンが体に吸収させる際に、NO(一酸化窒素)を生成するのだ。
NOは体内で生成されると血管を拡張し、血流を促進したり、健康的な血管を作り上げることとなる。故に、NOは動脈硬化をはじめとする生活習慣病予防や免疫力向上にかかせない存在である。
また、NOにはスポーツをするうえでアンモニアを取り除く働きがあり、乳酸の消費を促す働きをする。この働きにより、スポーツで疲労した体を回復させる手助けをしているのだ。
つまり、我々の体が健康的に活動するのにNOなしにはありえないのだ。
ちなみに、このNOの体内での働きを証明した医学者であるルイス・J・イグナロ博士は、この研究報告によって1998年ノーベル医学・生理学賞を受賞している。
その証明こそが、内皮から分泌される血管弛緩物質(血管内皮由来弛緩物質、EDRF)がNOであること。
といっても、これだけ聞いても素人には全く理解できない。
要は血管の内皮でNOが作られているってことなんだが、その理屈を知ったところで、「それで?」という風に俺も含め素人は思ってしまう。
一酸化窒素 NO(エヌオー)は、心臓と血管の健康に欠かせない物質です。主に、血管の内皮(血管の内壁を覆う組織)でつくられています。
心臓と血管は、血液を介して酸素・水分・栄養分を全身に送り届けと同時に老廃物を排出していますが、血管は体の全細胞をコントロールしている重要な器官。血管の柔軟性を保つことこそ、健康と若々しさを保つ秘訣といえます。
体に吸収されたり、取り入れられたりした成分は血管を通って各内臓機関に栄養として送られる。通販でいうところの、物流を担っているのが血管ということだ。その血管に流れている成分にはシトルリンも含まれているわけだ。
そして、シトルリンは血管の血液として流れている途中に、血管の細胞(血管内皮細胞)に吸収されるのだ。そして、その吸収されたシトルリン(アルギニン)を元に血管の内皮細胞はNOを創りだすのだ。
そのNOは血管の内皮細胞で作られると、その細胞自体を柔らかくして柔軟性をアップさせる。これが、体のありとあらゆる血管で行われている。そうすることで、血管は柔らかさを保って血流を円滑に行ってくれるわけだ。
動脈硬化=悪いということは、素人でもなんとなく理解はできると思う。
カピカピに固くなった古いホースよりも新品で柔らかなゴムのホースのほうが水の流れは絶対にいいはず!その上で、人間の体にはいくつもの血管が右へ左へと拗じられながら張り巡らされているわけだ。
そうなると、固くなった血管や柔軟性が低下している血管では、血流がスムーズにいくはずがない。
それを防いでいるのがNOという働きであり、シトルリンというわけだ。
勃起とNOの関係
さて、シトルリンがNOを生成し、そのNOの働きがわかったところで、勃起とNOについて説明していく。
当然、NOと勃起が密接な関係であれば、シトルリンが勃起に密接な関係であることに繋がるわけだ。世の中の「精力増強や勃起力アップにシトルリンが良い」という説を理詰めで証明できるというわけだ。
勃起の仕組みについては「ED治療薬(バイアグラ)と精力剤の効果・効能の違い-ED治療薬のメカニズム①~勃起の流れを知る~」で紹介している。その際にもNOという言葉は出現している。
ここでは簡単に勃起の仕組みについて説明する。
勃起は男性器(陰茎)に血液が多く流入すると同時に、その血液の流出を防ぐことで成り立っている男特有の生理現象だ。
要は血液が男性器に集中することで硬くなり、血液が集中し続ける(流出を防いでおく)ことで勃起が維持されているわけだ。
そんな勃起の中で主軸として働いているのが、勃起神経(男性器付近の末梢神経)と海綿体平滑筋だ。
特に海綿体平滑筋によって勃起はコントロールされている。
海綿体平滑筋が収縮弛緩(筋肉が小さくなったり、大きくなったりすること)することで、男性器に流れる血液を調整している。
そして、海綿体平滑筋の収縮弛緩コントロールは、アドレナリン作動性神経とNOに別れている。
- 海綿体平滑筋の収縮はアドレナリン作動性神経が担当
- 海綿体平滑筋の弛緩はNOが担当
NOといっても種類がいくつかある。自民党の〇〇派みたいな感じだ。
そんなNOの中でも勃起について深く関係しているのがNO/cGMP 系だ。
アルギニン(シトルリンも含む)からNOは生成されるわけだが、NO 合成酵素という物質によって生成されることが判明している。(ちなみに、このNO 合成酵素というのは3種類まであることもわかっている)
NOが勃起に関わる瞬間
海綿体平滑筋の弛緩はNOが担当しているわけだから、海綿体平滑筋を緩めている、つまり、勃起発動時に関わっていることになる。
しかし、このNOにも2タイプ存在してる。
それが、神経由来タイプのNOと内皮細胞由来のNOだ。
神経由来タイプのNOは、脳が性的な興奮を神経によって男性器に伝わるときに生成させるNOで、内皮細胞由来のNOもともと血管を健康に保つために生成されているNOになる。
- 神経由来タイプのNO=nNOS
- 内皮細胞由来タイプのNO=eNOS
どちらも同じNOで、勃起においては海綿体平滑筋の弛緩に関わっているのだが、深く研究をしていくと、両者のNOには役割があることがわかっている。
まず、nNOSによる陰茎海綿体、陰茎動脈の拡張が起こり、流入血液量が増加。つぎに、その血液流入によりずり反応が生じ、eNOSが働き、持続的な弛緩が神経海綿体にもたらされる。
なかなか難しい説明だが、要は、勃起の初動にあたる男性器に血液が流れ込む時は神経由来タイプのNO(nNOS)によって起こされていて、その勃起を維持させる(血液を男性器にとどめておく)時は内皮細胞由来タイプのNO(eNOS)によって起こされているということだ。
同じNOだが、勃起時には役割があるわけだ。
このNOの働きを考えると、勃起にはなくてはならない存在である。そもれ、どちらのタイプのNOも必要になる。
性的興奮によって現れるNOも必要だし、血管の内皮細胞由来のNOも勃起を維持するためには必要不可欠だ。
この勃起のメカニズムからシトルリンは勃起に大きく貢献しているといえる。
すなわち、男の勃起力低下にとってシトルリンは必要な成分であり、努めて摂取する必要性が高い栄養素だといえる。
こういった理屈から、ほとんどの精力剤にシトルリンが配合されているのだと俺は分析する。